ガイドパック製作

前書
 初めて赤道儀を買ったのはVixenのGPEでした。一時ほとんど使っていないこともありましたが、3年ほど十分に使いGPDを購入することになりました。確かに、GPDの安定感の方が勝りますが、GPは軽いという大きな利点があります。
 使わなくなったGP赤道儀を生かすためにガイドパックに作り変えることのしました。
 単に、ガイドパックに変更するだけでしたら、部品を買い足すことにより簡単に出来ます。そこで、一工夫がほしいと思い次の点を考えて製作することにしました。
  1.ウェイトの代わりにバッテリが使えないか。
  2.暗視野照明、駆動モーター、カメラ電源、霜よけヒーターを一つの電源で分圧できないか。
 この2点を考え製作に取り掛かりました。

電源部の製作
     まずは使用するバッテリーですが、いろんな電圧に降圧する必要があるので、   9.6Vか12Vの充電電池が都合がいいと考えました。それも、安価ですむものはと思いついたのが電動ドライバーに使っている12Vのバッテリーパックが好都合に思いました。
 それは、買わなくても2個が自宅にすでにあり、容量が3Ahと結構な容量があることと、充電が速く済むことです。 
     次の問題は、いかに簡単に取り付け、また、取り返れるようにすかということです。
 ネットでナショナルの電動器具を探していると左図のような器具がありました。ちょっともったいないのですが、注文をして切断をしてしまいました。


 値段は2k弱円だったと思います。上半分何かに使えないでしょうか。
 上部のケースにはカメラバッテリー用の降圧回路を入れました。
 降圧回路は秋月電子のキットを使いました。このキットは8.1Vに降圧するのに入力電圧との差が4V必要なようです。最近の秋月電子のスイッチング安定化電源キットは容量5Aになり、効率もよくなっているようですが、かさが大きくなっています。容積では2倍あるように思います。
 8.1Vに可変ボリュームを回して調整するのはなかなか微妙な操作になります。最近知ったことなのですが、右図のような可変ボリューム抵抗器があることを知りました。
 これは、25回転で可変するそうです。これなら微妙な電圧も操作しやすそうです。

バランスシャフトの製作
 ウェイトをバッテリにするという発想は自分なりにいいと思ったのですが、どのようにバッテリーを動かしバランスをとるべきがあれこれ悩みました。
 結局、手元にあったアリガタ・アリミゾを使い、アイミゾの方を動かすことによってカメラとのバランスをとることにしました。
 L型のアルミを使い固定しています。

ターミナルの製作
 もともと、異なった電圧をコントロールするのと配線を集中させるために製作をする予定でした。
 暗視野照明も入れたくなり、狭い場所に暗視野照明用のボリューム、ヒーター用の5V回路等を所狭しと入れています。

 このドーナツ状のもとは「三ツ星」で買ったEOSマウントの延長チューブのような部品です。EFマウントのオス側は別に使ったのであまっていたものを利用しました。
 次に固定方法ですが、プレートに固定してしまうと赤道儀とプレートの脱着が難しくなってしまいます。そこで、簡単にこのターミナルを脱着するために、GPについていた極軸用の穴をふさぐ「黒いキャップ」を利用しました。
 この製作は紙などを切る円形カッターを使って穴を開けて固定しました。
 奥まで入れると軟質プラッスチックの素材のためしっかり固定されます。

 GPD用の暗視野照明用のものも売られていますが、その分2cmほどプレートが前に出てしまいます。その分軸に負担をかけることになります。

霜除けヒーターの製作
 左図はUSB電源でマグカップに入った飲み物を温める「カップウォーマー」とか言うものです。これを使ってレンズやガイド鏡の霜取りにならないかと購入してみました。
 構造は伸縮性のある生地にニクロム線が入っているようです。また、ニクロム線はきちんと小さなDCメスジャックに取り付けられています。
 しかし、マグカップのために作られているため、マグカップの握り手の逃げのために大きな穴が開いています。
 やはり作り変えなくてはいけません。
 伸縮性があり似た素材で左図の釣竿などを束ねるためのバンドがあることを撮影仲間のFuuma−mfukさんから聞いていました。伸縮性、保温性共に優れているようです。
 また、ブランド名の裏側にはマジックテープのオス側があり、そこ以外であれば思う長さに切ってもほちける(方言)心配はありません。
 分解したニクロム線の画像はありませんが、電気毛布などに使われている熱線のようなものでした。これを片面が粘着面のクッションテープでサンドイッチしてしまいます。
端子をきれいに出してくることは大変でしたが、線を直接ニクロム線につないだほうが利便性が向上するように思います。
 このヒーター、USB電源で温まるということは5Vで人肌ぐらいになるようです。当初は5Vで使用したのですが、温度の上がりが低く、現在はカメラ電源と同じ8Vで温めています。

収納ケース
   収納ケースはホームセンターで売られていたCDジャケットを入れるアルミケースがよさそうな大きさでしたので、採寸もせず買ってきました。
 買ってきたもののものが多すぎます。またパズルの世界です。あうでもないこうでもないと物を入れ替え右のように収めました。場所と向きを違えるともう入りません。
 もともと、自由雲台を使っていたときはバッテリー1つがうまく収まって、このケースと三脚とカメラがあれば即撮影といけたのですが、ジュニアギア雲台に替えるとバッテリーが追い出されてしまいました。

後書
 自分的には電動ドライバーのバッテリーを電源にするという発想は正解だったかと思います。新たに12Vの電源を用意するとなると容量や費用のことを考えると大変だと思いますが、電ドラは日ごろから使っているものですので、有効に活用できてりるとおもいます。
 3Ahのバッテリーでも冬の夜、ヒーターを使うと6時間で2個を使い切ってしまいます。ニッカド水素電池も低温時には十分な容量が使えないようです。
 デジカメも現在kissDXを中心に使用しています。代々使用してきたD,DNも活躍させることが出来ます。
 3台が動き出すと忙しくなり大変ですが、いい空を存分に楽しむことが出来ます。


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