連動レリーズケーブルの製作

前書
 天の川が現れる夏や冬には主望遠鏡の横にカメラレンズを取り付けて二台体勢で撮影をしたくなりますね。そんな欲張りな気持ちからか、連続2回失敗をしました。
第1回目の失敗
 主望遠鏡は7分30秒露光。カメラレンズは5分露光と考え、それぞれピントを出して撮影を始めました。ところが、家に帰って画像を開くとレンズ側の画像の3分の2が串団子状にガイド流れをしています。はい、ディザガイドのせいです。
第2回目の失敗
 ディザガイドは必要なので同じ露光時間で二股ケーブルで撮影。シャッターコントロールがおかしい?

 こんな、失敗をしてきたままだましだまし二股レリーズを使ってきましたが、今回夏の星座を撮影するために改良することにしました。

二股レリーズケーブルの不具合
 以前日本橋をうろうろしているときに見つけた2.5mmの二股ステレオジャックです。
 カメラを2台同時に露光をかけるにはきっと便利に使えるだろうと思って買っておきました。しかし、そう甘くはなかったのです。

 第2回目の失敗をする以前からシリアルからのカメラレリーズケーブルを製作しており、ジャックの根元と先端を単にショートさせればいいと深く考えていませんでした。
 よく考えてみればスイッチの部分には必ず電気が流れていますよね。
 二股の片方をカメラにつなぎ、もう片方のジャックの根元と先端の電圧を測ってみました。先端が+ 根元が- 電圧は3.2V でした。
 左上の状態のようにコントローラーをつないで作動させると特に問題はなく同時に露光することができるのですが、片方のカメラ電源を切る。ケーブルを外したときに誤操作を起こします。コントローラーに関係なくシャッターが切れたり、コントローラーの制御ができなくなります。
 他のカメラの電源で制御されないように整流ダイオードを使って一方通行にしたいと思いました。

二股ケーブルの製作
 左の図のようにプラス側に向き合うようにダイオードを配置すればお互いの電源の影響を受けないようになると思います。
 右は手元にあった小型整流ダイオードです。
 プラグジャックの中に収めたく老眼に苦しみながら半田付けをしました。
 あとは絶縁テープでショートしないように絶縁をし、プラスチックカバーはねじ込み式ですが、何か詰め物をしたときはねじ込んで収めると中のものが引っかかり断線をしたり、ショートしてしまうことが多いです。空間に余裕のないときはねじ山を無視して力で刺し込むことにしています。
 右の写真が完成をした写真です。
 主望遠鏡側を極端に短く、カメラレンズ側を長くケーブルを取りました。
ダイオードを内蔵できたためすっきりしたケーブルになりました。

後書き
 写真はテスト作動の様子です。
 途中で片方のカメラ電源を落としたり、電源を入れたままジャックを刺したり抜いたりしても問題はなく、思った通りの作動になりました。

 これで、2台のカメラを連動させて撮影をすることができそうです。
2013年4月

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