CANON kissの横縞ノイズ対策

前書
 天文ガイドの講評でも指摘を受けた横の帯状のカラーノイズです。ノイズはRに顕著に現れます。スバルの淡いガスを表現したいと思ってもこのノイズのせいで表現しきれませんでした。今回本腰を入れて対策に乗り出すことにしました。
 まずは、どの条件で現れるのか?出る条件を思い出してみました。
・DXの冷却、X2の冷却カメラの両方に似たようなパータンで表れる。
・外気温が低く、冷却をしたときの方が出る頻度が高い。
・バッテリー電圧が低くなってきたときの方が顕著に表れる。
・非冷却(ファンも止める)だと表れない。

 少し不確かな記憶ですが、DXのころから対策ができていませんでした。これらの条件からひとつひとつ改善対策をしていくこととしました。

カメラ電源周りの対策
 わたしは機材全体の電源として「G&Yu BATTERY ディープサイクルバッテリーSMF31MS-850 115Ah」を使っています。撮影時は7Aほどを常に消費して行きますから、明け方には最低電圧の10.5Vに達してしまいます。この11Vを切りだす電圧だとカメラへの電源供給はノイズを嫌いスイッチング電源ではなく、「3端子可変型レギュレータ」を使って8.1Vに降圧しているため、+3Vの入力電源が必要でカメラ電源の電圧が下がってきます。また、ガイドカメラにも横縞ノイズが入り始め、赤道儀の中高速導入ができなくなります。
 これらの対策としていつもお世話になっているJrさんからのアドバイスで、COSELの「ZUS251212」を購入し、安定12Vを確保することができます。ただし、使えるのは2Aまでとなります。また、バッテリーの電圧低下に気付きにくいため、バッテリーの寿命を縮めることもありますので電圧のチェックは怠らないようにしています。
もう一つの対策として、左の画像のDCノイズフィルターを回路に挟むことにしました。
これは基板用なので側面を固定してはんだ付けをすることにしました。

冷却ファンのノイズ対策
 もうひとつノイズの原因として疑いを持っていたところは冷却ファンから出るモーターノイズです。WEBで調べてみるとPCをAV機器として使っている方が音に乗るノイズ対策としてコンデンサーを並列で付ける方法を見つけました。実はわたしの寝室のパソコンもイヤホンで音を聞くと常にノイズが聞こえてきます。

 アルミ電解コンデンサ(オーディオ用両極性品) 35V 220μF
 積層セラミックコンデンサー ラジアルリード型 50V0.01μF
この二つのコンデンサーをできるだけモーターの近いところに並列にはんだ付けをしました。
 記事を読んでいるとこんな対策をしなくても山洋電気製のファンはノイズを出さないと書いていました。日本製万歳。


後書
 この対策をして5回ほどいつもの護摩壇で撮影をしましたが、全く横縞ノイズが出なくなりました。このノイズ外気温が低いときによく出ましたからまだ手放しで喜べませんが、手ごたえを感じています。
 今回ラインフィルターとファンのノイズ対策を同時にしてしまったのでどちらが原因であったのかはよく分かりませんが、このまま解決となってほしいと思います。
2012年6月