接 眼 部

全体  私の持っている鏡筒はVixen製が多いので、ドローチューブ径は60mmに統一しています。(ボーグのカメラアダプターを使いたかったのですが、R200SS用コマコレクターが使えなくなるのが難)

 補正レンズの製作もしてみました。ただ、光学的な知識がありませんので、確かなことではありません。



ピント出し
 ピント出しを正確にするために、デジタルノギスの表示する送り出し量を記録し、1等星をjpeg ISO1600 30秒で試写します。
 それをPCソフト"Flyeye Loupe"を使用してドローチューブの送り出し量を決めます。
 ニュートン反射鏡の場合、スパイダーによって出る光条の細さと微光星のシャープさを手がかりに判断をしています。
 スパイダーが薄い場合、光条がどんどん細くなるため、合焦の判断が容易です。
 しかし、R200SSのようにスパイダーが太い場合、微光星のシャープさも見て判断をする必要があるようです。



デジタル
ノギス利用
  ドローチューブの送り出し量を測定するために市販で売られているデジタルノギスを使っています。
デジタルノギスを使っての利点は
○0.01mmまで精度があること。実際に上記の光条はfl460mmの場合、0.06mmずつドローチューブを送り出し て撮影をしています。
○次の撮影日のときに復元性が高いことです。
ピントを出して撮影をした日に、リセットして0.00表示にしておけば、後日、ドローチューブを縮めておいても-0.1あたりから試写をしてその日のピントを素早く出すことが出来ます。
作製にあたって気をつけたことは
○これらのデジタルノギスの切断等の加工はステンレスのため難しい。ディスクサンダーでの切断は容易であるが、熱のため、目盛部(位置測定をする磁気帯?が埋め込まれている)を溶かす恐れがある。ステンレス用の金鋸で切れます。
穴あけはなかなか難しくボール盤を使っても3mmの開けるのに2本をつぶしました。
○ノギスを取り付ける場所はどうしても平面部が適当なのでピント調整ノブのカバーと変換リング(ボーグパーツNO7510)に取り付けた。この位置に装着するとカメラの回転や取り外しをしても影響がない。



ステッピングモーターを使用 ドローチューブの送り出し量を微動操作するためにステッピングモーターを使用しています。
ステッピングモーターを使っての利点は
○減速微動装置などに比べると安価ですみます。
○野村さん頒布のドライバーキットを使うと粗動、微動がボタン操作で容易に出来る。
○USB接続により、パソコン上での操作、オートフォーカスも可能。
製作に当たって気をつけたことは
○モーターとピント調整シャフトの接続にはカップリングを使用するが、Vixenのシャフトは8.3mmほどあり、カップリングの加工が必要。
○ステッピングモーターからは6本の電線の接続が必要であるが、接続を容易にするためにはじめは電話用の6極6芯のモジュラーを考えていたが、入手が難しく、LAN用(8極)のケーブルを使用することにした。



補正レンズの作製  Vixenのコマコレクターは安価なうえ優れものです。ただ、もう少し中央部のシャープさを保てれば・・・。

 そこで、焦点距離を短くし、そして周辺部に出るコマ収差を補正できればいいのにと思い。試行錯誤で作ってみました。

 Kenkoのクローズアップレンズをレデューサ代わりに使われる方は多いようです。これまた、安価で優れた性能です。
 ただ、気をつけなければいけないのは49mmAC2はマルチコートされているが、AC345はシングルコートのようで値段にも差があります。
 VixenのEOS用カメラアダプターの内径はほぼ49mmです。二巻きほどのピッチは合いそうなので、内側に収めることは可能です。でも、これでは周辺像の補正は期待できませんでした。

製作にあたり気をつけたこと
○もっとクローズアップレンズをカメラ側に収める必要があり、フィルター枠をはずします。しかし、押さえのリングを回してもびくともしません。二カ所接着されていますから、枠を切断します。このときできれば押さえリングだけは無事に取り出したい。
 取り出したアクロマートレンズは48mm程ですので、黒い融着テープ等で径を増やします。

○カメラアダプターへの装着は49mmの押さえリング2個を用意し、レンズの前後を挟み込みます。

○F4.5ぐらいではAC4とか5を装着するといい結果が出そうですが、まずマルチコートでないため3等星位からゴーストが出そうです。私の場合マルチコートされているAC2をこのように装着し、フィルター枠付のAC2か3を重ねています。
 AC2+AC2:0.78倍    AC2+AC3:0.73倍ほど 焦点距離が短くなり、F値も明るくなります。
直焦点機材