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前書 | |||||
EQ6Proを使い始めて1年になります。価格の割にベアリングがふんだんに使われており、搭載能力も高く、駆動もマイクロステッピングモーターを使っています。 しかし、きちんと調整されていない部分が多く、特に、赤緯体の動きがおかしいことが以前より気になっていました。 おかしいというのは赤経軸よりも引っかかりのある動きがあるのです。軸に対するテンションを緩めると動きがスムーズになりますが、ウォームギアのかみ合わせがうまく調整できません。 今まで、ごまかし使っていましたが、今回本格的に調整することにしました。 |
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赤緯軸の取り出し | |||||
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今から紹介する手順は正しいとは限りませんので、参考に分解をする方はあまり当てにしないでください。 写真は用意していませんが、まずは、アリミゾマウントをはずし、ウェイトシャフトを抜いておきます。参照:マウントアダプター 写真の細い六角レンチを差し込んであるイモねじが前後に2か所あります。ウォームギアの調整をするねじですが、大きく緩めます。 それから、ウォームギアユニット(勝手に名前を付けました)を固定する六角ねじを緩めておきます。 これは、赤緯軸を抜くときにウォームギアを傷つけないためです。 |
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左の写真のように3か所の赤緯軸のロックイモねじを緩め、回すと右のようにテーパーベアリングが顔を見せてきます。 このとき、赤緯体を横に向けたり、下を向けると軸が落とす恐れがありますから、気を付けてください。 |
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ウォームギアユニットの分解 | |||||
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これで、緩めておいたウォームギアユニットの4か所六角ねじを抜けば、赤緯軸とユニットが抜けます。このとき、ウォームギアユニットを一緒に持って抜いてください。また、左の写真のクランプをロックしたままにしておかないとウォームギアが抜け落ちる恐れがあります。 次にクランプレバーを外し、抜き取ります。このねじの中におさえようの真鍮製の円盤があります。なくさないようにしなくてはいけません。 |
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以前より気になっていたねじを開けるとご覧のとおりです。 大きな黒い2つ穴のねじはウォームシャフトのキャップねじです。銀のマイナスねじはギアの噛み合わせを見るねじのようです。でも、かなり奥にあり見にくいですね。 |
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ウォームギアシャフトの黒いキャップねじを両方外すと、片側には軸とベアリング。もう片方には両端に切り込みのある押さえようのリングねじが見えてきます。 シャフトを抜くにはこのリングねじを外してしまいます。 身の回りにあった工具を使いましたが、特にきつくは押さえていません。先のとがったラジオペンチやハサミでもはずせそうです。 |
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左の写真のように抜き取るには駆動用のギアを外さなければなりません。 ギアイモねじのロックねじを2個緩めれば外せますが、後のことを考えて、シャフトの位置のどこに止めていたか、採寸しておくのがいいようです。わたしはしていませんでしたので、かみ合わせがずれて分解をし直しました。 それから、ロックねじは2か所ありますが、1つはシャフトのへこみに固定しています。もう1つはシャフトの曲面にねじ込みますから、あまりきつく締めてしまうと今度分解が必要な時に、かんでしまってギアを抜くのに引っかかってしまいます。 |
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赤緯軸の分解 | |||||
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赤緯軸を抜くには、左の写真の2つ穴のあいたリングねじを外します。(このねじはあまりきつく締まっていません。) でも、これでは抜けず、右の写真の銀のマイナスねじを外し、奥の六角イモねじを三か所緩めます。(これはとても固く締まっています。) |
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右の写真は赤緯体の全パーツです。 まず、感じたことは、やたらあちこちにグリスを塗りたくっています。 赤緯軸には両端に2個・ウォームギアリングには両端に2個・ウォームギアシャフトの両端に2個と贅沢な作りになっています。 一つのベアリングがテーバー状の物ですが、後はシールされています。 ということはグリスの必要な部分はウォームギアとテーバーベアリングだけのように思うのですが…? 部品を洗浄しながら一つ一つの部品をよく見ると、思っていたよりいいつくりをしています。特にウォームギアのつくりはとてもいいように思います。 でも、アルミの鋳造部分はあちこちに作りの雑さが見られるし、ねじの切り方が日本製と比べるときれいとは言えません。 一番気になったことは赤緯軸にはめるベアリングが結構簡単に入ってしまいます。そのため、仮組をして回すとベアリングで回転しないで、軸とベアリングの隙間で回転することがあり精度の低さを感じます。 |
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ウォームギアリングの修正 | |||||
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赤緯体の回転の引っかかりの原因はどうも左の写真で表した部分がすれて出来るようです。この部分はかなり渋い寸法を出しています。 修正するにはこの部分を少し削り、赤緯軸をきちんと芯出しする必要があるようです。 |
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赤緯軸をヘッドに固定しますが、ここで問題が出ます。 固定方法はヘッド部に軸を差し込みます。本来楽に差し込めるのですが、軸回転を固定するためのロックイモねじの食い込み(カルデラのように)が邪魔をします。そのため、やすりで丁寧にカルデラを削ってやります。 二つ穴のリングねじをしっかり締め込み、回転止めのイモねじをしっかり締め込みますが、ほんのわずか軸が寄ったり、傾いたりするようです。ウォームギアリングを入れて均等に締め込む必要があります。 |
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組み立て・調整 | |||||
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組み立ての画像はほとんど撮るのを忘れてしまいました。 組み立ては分解した逆の順で問題はありませんし、各部にベアリングが使われているので、きちんと締め込んで問題はありません。 気をつけなくてはいけないことは、ベアリングの内リングに挟むプラスチックのシムですが、2枚入っています。厚さが違うことに気づかず、困ってしまいました。 ヘッド側のシムの厚さでウォームギアの当たりが変わりますから、分解の時に覚えておかなくてはいけません。 わたしの記憶が間違いなければ、厚い方がヘッド側です。(不確かです) 調整が必要なのは、 @ボトム側のテーバーベアリングのユニットです。ガタが出なくスムーズに回るところでロックいねじ3個で固定してください。 Aウォームギアの当たり調整、4本のキャップボルトを仮止めし、前後のイモねじで調整をします。これは、かなりシビアです。10度回転さすと大きく当たりが変わります。 ヘッド部の回転方向にガタがなく、ウォーム軸がスムーズに回るところを探します。手ごたえだけが頼りです。 |
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後書 | |||||
わたしのEQ6Proだけのことなのか、調整がきちんとできていません。せっかくいい構造をしているのに写真撮影となるともっときちんとした調整が必要があると思います。 一つふに落ちないことがあります。どうしてテーパーベアリングを一つしか使っていないのでしょうか?2個で挟み込む必要はないのでしょうか?・・・ふとこんなことを思ってしまいました。 でも、EM200を使っていたらこんな分解をする必要もないのでしょう。「手のかかる子ほどかわいい」という言葉通り、愛着がわいてきそうです。 |
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2009年10月 | |||||
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